広報
兵庫医科大学医学会
海外研修報告

ワシントン大学研修を終えて

● 北村 充さん (第5学年次)

w01_1.jpg まず初めに、このような素晴らしい機会を与えてくださった山西先生、引率してくださった古山先生・服部先生・蒲生先生ご夫妻、いろいろなお世話をしてくださった枚方療育園と播磨サナトリウムのみなさん、現地で優しく迎えてくださったMcCormick先生を始めとするワシントン大学の先生方や施設の方々、そしてこのプログラムに関わっておられる全ての方に感謝申し上げます。

 今回の研修に応募させていただいた動機は、日本とは異なる文化の中における医療というものを少しでも肌で感じたかったからです。多くの日本の人々は特定の宗教を信じておらず、それ故に終末期のケアが十分に行えていない様に思います。一方、多くのアメリカの人々は何かしらの宗教を信じており、それが生活の様々な状況に影響を与えています。そのような文化の中での、あるいはそのように信心深い患者さんに対する医療というものを見てみたかったので、今回応募させていただきました。

 研修の中で様々な授業といくつかの施設見学をさせていただきましたが、その中で一番印象に残っているのはJulie Hanada先生の“Role of the Chaplain in Providing Spiritual Care”という授業です。この授業の中で自分の意見を発表させていただいたのですが、分かりにくいであろう私の意見に熱心に耳を傾けてくださったことにとても感動しました。この瞬間は自分を一人の人間として扱ってくれているという気持ちになり、もし自分が患者であるならば先生に心をゆるし、多くのことを語ったと思います。自分が将来医師として患者さんに接するべき態度というものを、身をもって体験できたことをとてもうれしく思います。この気持ちを忘れずに、これから臨床実習に取り組み、将来は医療行為を行っていきたいと強く思いました。また、患者さんに対応するときに、自分自身のspiritualな考えを基盤にして行うというのは少し意外でした。自分のspiritualな考えを入れてしまうと何かしらの偏見が生じてしまうのではないかと思ったからです。しかし、真意はおそらく自分のspiritualな考えを「参考」にしつつ、患者さん自身のspiritualな思いに寄り添うことが大切であるということだと推測されました。ということは、自分の中でspiritualな考えをある程度もっていなければならず、spiritualな物事に対して今後も一生悩み、考えていかなければならないことなのだろうと思います。

w01_1.jpg 患者さんに寄り添う上で、日本人は痛みの種類について知らなさすぎると感じました。特に日本では肉体的な苦痛を取り除くことに重点を置きすぎているように思います。そのために精神的苦痛、spiritualな苦痛がないがしろになっていると思います。これらの苦痛は互いに関係しており、どれか一つだけではなく全てに注意を払い医療を進めていく必要性があります。

 現地でお世話になったガイドさんと話す中で、日本の医療制度がいかに恵まれているかを再確認することができました。アメリカでは入っている保険に応じて受診できる病院が限られているようです。日本は国民皆保険であり、すべての人が平等の医療を受けられます。今回は海外に出ることで、日本の制度面においても今一度考えなおすことができました。このような素晴らしい機会を与えていただいたので、この経験は必ず日本の医療に生かしていきたいと思います。最後にもう一度、お世話になった全ての方にお礼を述べたいと思います。本当にありがとうございました。

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