広報
兵庫医科大学医学会
海外研修報告

クロアチア留学を終えて

● 三浦 昂さん (第5学年次)

 今回、9月22日から10月21日までの約1カ月間、クロアチアで病院実習をさせていただきました。私は内科のプログラムで1週間ごとに循環器内科、呼吸器内科、血液内科、消化器内科を回りました。自分の英語力のなさを十分に理解していたので、出発前は1つの科をじっくり回る方がいいのかもしれないと思っていましたが、終わってみるとたくさんの科を回ることができて、とても有意義な時間を過ごすことができました。

 今回の実習では各科の検査を主に見学させていただきました。第1週目の循環器内科は、まず何より初めということもあり緊張しましたが、教授やドクターの皆さんが優しく接してくださったので、実習にすんなりと入ることができました。この科では、カンファレンスに参加させていただき、心エコー、冠動脈造影、ペースメーカーの埋め込みを見せていただきました。カンファレンスでは、私は英語で少しは話してくれるのではないかと思って耳をすませていましたが、私の考えは甘く、全てクロアチア語でちんぷんかんぷんでした。ただ、カンファレンスの雰囲気や方法は日本と何も変わらないと感じました。心エコー検査で最も驚いたのは、患者さんが服を脱いで診察台に横になった状態で医師が来るのを待っているという光景でした。しかも、患者さんはそれが当たり前であるかのように平然としていました。日本ではありえない光景で、そんなことがあればすぐに病院で問題になると思いました。また、ペースメーカーの埋め込み術を見学させていただいた時、ドクターの方、看護師の方が着ていたガウンは布製でした。日本では紙製で1回使い捨てなので、ドクターの方になぜ布なのか理由を聞いてみると、予算がクロアチアではないから洗って使うということでした。感染防御が財政面によって削られているということは思ってもみませんでした。

 第2週目は、呼吸器内科で、カンファレンス、呼吸機能検査、回診、気管支鏡検査を見せていただきました。入院患者さんは肺炎が多く、クロアチアの喫煙率は約50%と聞きました。街中でもタバコを吸っている人はかなり多く、日本ではあまりみかけないからかもしれませんが女性の喫煙が目立ちました。

 第3週目は血液内科に行きました。この週だけは上田さんと違う科を回り、1人で回りました。はじめは心細い気もしましたが、より自分から英語で話しかけていくことができ、積極的に実習することができました。この科では、骨髄生検を見せていただきました。

 最終週は消化器内科に行きました。上部下部内視鏡を主に見せていただきました。ずっと見学しているとドクターに「君、内視鏡使ってみたい?」と言われ、内視鏡を使わせてもらうことができました。とても貴重な経験でした。

 次に、病院実習で驚いたことや、気がついたことを書きます。まず、病室のベッドとベッドの間に仕切りが全くないことに驚かされました。さらに、ベッドの間隔はとても狭く、1つの部屋に入れられるだけのベッドは入れているという感覚を覚えました。日本のようなプライバシーという言葉はクロアチアの病室には全くありませんでした。また、ナースコールのような患者さん自身が医療従事者を呼ぶシステムがクロアチアにはありませんでした。そのことについてドクターの方に聞くと、「近くに誰かがいるし、一定の間隔で巡回しているから必要ないと思う」と言われ、日本とは考え方がだいぶ違うと感じました。日本の医療はサービス業と言われていますが、今回はその意味が肌で分かりました。

 実習以外では、休みの日にドブロブニク、ザグレブ、プリトビッツェ国立公園、ロヴィニ、プーラなどその他、たくさんの観光地に行きました。街並みであったり、風景であったり、どの観光地も素晴らしかったです。実習後には、親しくなったドクターの方とカフェに行ったり、レストランに連れて行っていただいたりもしました。毎日の食事はというと、クロアチアではピザやサンドイッチがよく売られていたのでそれを食べていました。さすがに、最終週は日本の米が恋しくなりました。

 このプログラムに参加して本当に良かったと感じています。海外での医療について知ることができたのはもちろん、違った文化に触れられたこと、いろいろな方々とコミュニケーションできたことは今後の自分のモチベーションや考え方に良い影響をもたらしてくれると確信しています。英語の必要性も痛感することができました。

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