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兵庫医科大学医学会
海外研修報告

クロアチア・リエカ大学での研修を終えて

● 深井 茉由佳さん (第5学年次)

 今回の交換留学で、私は1ヶ月間、ロブランにある整形外科病院で実習させていただきました。最初は馴染めるかどうか、うまくコミュニケーションできるかどうかとても心配でしたが、ドクターをはじめスタッフの皆さん、大変親切にそしてフレンドリーに接してくださり、不安はすぐになくなりました。

 実習は毎朝7時半のカンファレンスから始まります。ロブランは寮のあるリエカから少し離れているため、毎朝早く起きなければなりませんでした。(幸運にも私は、担当のドクターの方が毎朝車で送ってくれたので、バスで行く必要がなくなりました。本当に助かりました。)カンファレンスはクロアチア語で行われるため詳しい内容は分かりませんでしたが、真剣に話している様子が伝わってきました。カンファレンスの後は病棟回診がありました。日本との大きな違いはあまり感じませんでしたが、驚いたのは患者さん同士のベッドの間に日本のようなカーテンでの仕切りが無かったことです。クロアチア人の他人にもオープンな性格のためでしょうか、国民性の違いを感じました。回診の後はオペ見学です。オペ室での基本的なルールは日本と同じなのですが、所々日本と違うところもありました。人口股関節置換手術の際、ドクターは日本のような大きなマスクをかぶっていませんでした。質問してみると、お金がないからだと教えてくださりました。他にも手術室の設備など日本と違うこともありましたが、やはりお金のためということでした。「お金が無いからできないこともあるけど、でもその代わりにイマジネーションが広がっていい」とおっしゃっているドクターの方がおり、その言葉に感銘を受けました。日本は何でもあって便利でいいですが、そのために失っていることもたくさんあると思います。ロブランの病院では、日本の整形外科ではよく使われるMRIはほとんど使っておらず、X線のみによる診断がほとんどでした。それもお金が理由なのかと思って尋ねてみると、「X線だけで十分診断できるからだよ。時間もお金もかかって患者さんに負担もかかるし、MRIが本当に必要な患者さんにだけやるようにしているよ。」とおっしゃっていました。この言葉を聞き、クロアチアのドクターはすごいと感心してしまいました。

 実習は毎日3時半くらいに終わるので、その後は一緒に日本から交換留学に来ていた二人や、日本で先に交換留学を終えていたクロアチアの友人達と食事をしたりして楽しみました。週末は彼らが世界遺産の国立公園や有名な町に連れて行ってくれたりしました。彼らが家に招いてくれ、食事をふるまったりもしてくれて、大変充実した時間を過ごす事ができました。時々ドクターの方も仕事の後にカフェに連れて行ってくれたり、食事に連れて行ったりしてくれました。日本と違って、クロアチアの人は仕事を早く終わらせて、その後の時間を家族と楽しむことに使うのが普通のようでした。日本では労働時間がもっと長いことを伝えると、皆驚いている様子で、だから日本人はお金があるのかなと言っていました。クロアチアでは医師の給料はそんなに良い方ではなく、そのため男性よりも女性が多い仕事だと言っていました。(整形外科は例外で、女性は一人だけで他は皆男性でした。)私を担当していたドクターに、何故医師になったのかを尋ねると、「人が喜ぶのを見るのが好きだから」と言っていました。シンプルな理由だけれど、とても大切なことだと思いました。どこの国でも、医療に携わるとどうしても忙しくなるでしょうし、その忙しさや責任ある仕事のために、医師を目指した時のモチベーションを忘れてしまいがちだと思います。また誰に聞いても、皆医師という仕事に誇りを持っているようでした。私はよく悩みがちで困ることがあるのですが、彼らと接することで、もっとシンプルでいいのではないかと思うようになりました。今後医師を目指していく上で悩むことがあっても、彼らから学んだ誇りと熱意を思い出して頑張っていきたいと思いました。

 今回、一ヶ月という短い期間ではありましたが、非常に多くのことを学ぶことができ、貴重な経験をすることができました。この機会をくださった先生方、関係者の皆様方には大変感謝しております。他にもクロアチアでお世話をしてくれた先生方、友人達に感謝の言葉を述べたいと思います。本当にありがとうございました。

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