広報
兵庫医科大学医学会
海外研修報告

コロンビア大学での実習を終えて

● 岩根 成豪さん (第6学年次)

w01_1.jpg 今回Columbia University Medical Centerで2012年4月2日から4月27日まで循環器内科の実習を行いましたので、その報告をさせていただきます。このプログラムを志望したのは、循環器に興味があり循環器の実習を海外でしたかったことと日本とアメリカの医療の違いを肌で感じたかったからです。また昨年の8月にIFMSAの臨床交換留学プログラムでフランスのパリ大学で循環器の臨床実習を行っていたのでヨーロッパとアメリカとの比較もしてみたいと思っていました。そして、私がこの実習で期待していたことは、アメリカの医学生と同様に実習することでした。

 実習の基本的な1日の流れは、朝の7:00-9:00にMorning Report, Fellow Lecture Series, Conference, Grand Rounds等があります。それが終わるとFellow(Residencyが終わりCardiologyを専攻している)と一緒に病棟の業務に移ります。その後12:00-13:00にConference, Journal Club, Lecture, Grand Rounds等があるのでFellowと一緒に参加します。Conferenceには食事がついているので、朝とお昼は食事をしながらConferenceに参加します。その後、引き続き病棟業務を行い、それが終われば1日の実習が終わります。

 CardiologyはNuclear Cardiology, Cardiovascular Ultrasound, Interventional Cardiology, Electrophysiology(EP), Cardiac Intensive Care Unit(CCU), Cardiology Consult Serviceなどの部門に分かれており、Fellowは約4週間でローテーションしていきます。この4月にCardiologyで実習していたコロンビア大学の学生は3年生の2人でした。コロンビア大学の学生はConsult Serviceで実習を行います。Consult ServiceにはGeneral Cardiology ConsultsとArrhythmia Consultsに分かれており、コロンビア大学の学生はこの2つを2週間ずつ入れ替わりで実習をすることになっていました。私は実習する部門を自由に選択することが出来ましたが、コロンビア大学の学生と同じ実習をしてみたいと思ったので、最初の1週目はCCUでの実習を行いましたが、2週目、3週目にGeneral Cardiology Consults、4週目にArrhythmia Consultsを選択しました。

W01_5.jpg 1週目のCCUでの実習は、Morning ConferenceのあとにFellowと一緒にResidentsがAttendingにプレゼンをするMorning Roundに参加しました。プレゼンではResidentsが自分の担当の患者の内容をすべて暗記しており、プレゼンの質の高さに驚かされました。AttendingはこのRound を教育の場ともとらえており、担当者以外のみんなで情報を共有し、なぜそのようになるのかを常に問いかけ、生理学をとても重視していたことが印象的でした。また、新患が入院していたときにいつもAttendingが聞いていたことは、いつ患者がCCUを出て退院するのかということでした。それは、資源は限られているからという理由でした。これがアメリカの入院日数が日本に比べて少ない理由だということが分かりました。CCUでは、私はResidentsや学生と一緒に過ごしていました。CCUを回っていた学生は日本ではあまりなじみがないMD. PhDコースの学生でした。その学生はすでにPhDを取得し、ICUに興味があるということで最終学年として実習を行っていました。CCUはCardiologyを回っている学生ではなく、ICUを回っている最終学年の学生が選択することが出来ます。Fellowはとても忙しいですが、時間が空いた時にはResidents向けにLectureをしてくれるので、それに参加していました。Lectureが終わるとResidentsがLectureに関する文献をコピーして配ってくれました。また、FellowにMedical Recordsを読ませてもらい、わからないことがある時は質問をすれば詳しく説明してもらえました。Residentsには一緒に診察に参加させてもらい身体所見や問診をプレゼンするなどの機会がありました。学生にもアメリカの医学部について聞くことが出来、非常にいい経験が出来ました。

 2,3週目はGeneral Cardiology Consults、4週目はArrhythmia Consultsで実習を行いました。ここでは他科からCardiologyにConsultしてきた患者の診察、診断、治療をFellowと一緒に考え、Attendingにプレゼンをします。患者はMedicine, Surgery, Neurology, Psychiatry等からConsultされるので様々な疾患を診ることが出来ました。Fellowとコロンビアの学生と私の3人で診察をしていくのですが、毎日のように他科からConsult があり常に2,3人が入れ替わり、常に10人以上の診察を1日かけて行っていました。また、Cardiologyだけの病棟はないので、診察のために病院中を歩き回り患者のところに行きます。Round中にFellowは患者について詳しく説明してくれました。そのときにECGや画像所見、治療について聞かれることもあったので非常に勉強になりました。診察時には身体所見も一緒に取らせてくれました。また、担当患者の疾患に関することについてLectureをしてくれ、教育に非常に熱心であるという印象を受けました。一緒に実習をしてコロンビア大学の学生は、常に自分からどんな些細なことでも分からないことがあれば質問し、理解するように努めていました。また、Attendingへのプレゼンの時に内容をすべて暗記しており、非常に良い刺激を受けました。

w01_1.jpg Fellowの下でコロンビア大学の学生と一緒に実習をして思ったことは、学生が実習に対して非常に積極的であり、それに対してFellowが熱心に教えてくれるということです。また、ConferenceではFellow同士の議論が活発で非常に刺激になりました。この留学で学んだことは、自分がしたいことを意思表示しなければ何も始まらないということと、わからないことがあれば質問して理解に努め、そのことについて議論する積極的な姿勢です。これからはこの経験を生かして、自分から積極的に物事に取り組み、向上心を持っていきたいと思います。そして、将来アメリカで臨床の研究を出来るように努力していきたいと思います。

 最後になりましたが、本学循環器内科の増山教授、コロンビア大学の本間教授、国際交流センターの大辻さん、その他今回の実習をするにあたりお世話になった方々にこの場を借りて感謝の言葉を述べさせていただきます。ありがとうございました。

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