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兵庫医科大学医学会
海外研修報告

シアトルワシントン大学研修

● 谷口 洋平さん (第5学年次)

W03_2.jpg 1日目は空港に到着後、昼食を各自でとり、ホテルにチェックインして、シアトルマリナーズ対ボストンレッドソックスの野球観戦に行きました。イチローがホームランを打ってくれました。メジャーリーグのスケールのでかさに感動しました。

 2日目は市内観光をしました。アウトレットでの買い物に行きました。夜には、Dr. McCormickやワシントン大学の医学生とWelcome partyで食事をしました。医学生のベンと同じ席でしたが、アメリカの医療について、アメリカと日本とのメディカルスクールの違いを聞きました。例えば、アメリカでは、4年制の大学を卒業してから、メディカルスクールに4年通うというのがあります。やはり一度大学を卒業してからメディカルスクールに入るので医学生の平均年齢は日本にくらべ高いそうです。

 3日目はワシントン大学医学部で研修を受けました。Dr. McCormickによるイントロダクションとアメリカでの生命倫理の歴史の講義がありました。心停止が死と定義していた時期から、脳死が認められるまでのプロセスなどを聞きました。また、アメリカでの移植サービスについてのお話もありました。アメリカでの移植状況や外国からの患者の受け入れシステムの改善など今、実際にアメリカで問題になっていることを聞けて感心しました。昔は海外からの患者の数を5%以下に設定していたようです。他にも緩和ケアの実状のお話も聞けました。QOLについて細かく調べて、患者により良い緩和医療を提供できるようにしているようです。

 4日目はシアトルにある癌センターに行きました。そこには、日本では、聞きなれないChaplainという職業を知りました。Chaplainとは、宗教的なことに関するセラピストで、精神科の医師とはまた別に確立した職業だそうです。やはり、様々な人種が混在するアメリカでは、必要になってくる職業だと知りました。日本では、占いのように扱われるスピリチュアルという言葉ですが、アメリカでは、一般的に実存的なものとして扱われています。このように日本で使われている言葉とアメリカで使われている言葉にギャップがあるのに気付きました。また、緩和ケアセンターにも行きました。日本よりも患者の意思が尊重されているように思われました。

W03_1.jpg 5日目はHarborview Medical Centerに行きました。ここは、レベル1(最高レベル)のトラウマ病院だそうです。規模の大きさや設備のすごさに驚きました。日本ではトラウマと言えば精神的な問題を言いますがアメリカでは例えば自動車事故のような物理的な衝撃を受けた人が運ばれる病院だそうです。ここでは、Chaplainになるためにこの病院で研修している方に病院案内をしてもらいました。医師だけでなく、Chaplainも24時間待機出来るような仮眠室、シャワールームもありました。また、ヘリポートも併設されていました。この施設でもChaplainの方のお話も聞けました。この方は、日系アメリカ人の方で、仏教を担当されていました。この日は、次にシアトルの透析センターにも行きました。アメリカでの透析の現状を知りました。自宅で透析ができるように訓練施設や肝炎の人も利用できる透析の機械もあり、アメリカでの透析施設の充実を感じました。この日の晩にシアトルの湖でのクルージングディナーがありました。シアトルの壮大な自然、マウントレイニアもきれいに見えて、心地よい時間が過ごせました。

 6日目はシアトルの子供病院に行きました。そのなかで、Dr. McCormickにも教えていただいた4Boxについてのお話を聞きました。これは、患者がこれからの治療や生活を決定していくツールだそうです。4Boxのそれぞれに患者が大切にしているもの、これからの希望、どのような治療を受けたいかなど様々なことを記載し、チーム医療のみんなが患者の状況を把握し、できるだけQOLを高めていくというシステムを知りました。今回聞いた実例は10代の患者が白血病にかかり、一度骨髄移植手術を受けるも、再発しその後の治療をどうしていくかについてでした。この患者は体の状態がいい時は様々な希望を4Boxに書き込んでいくが、二度目の骨髄移植後に再発した時には、この4Boxに緩和治療と家族といたいというたった2つの希望だけになるという状況になりました。このように患者の精神的な変化を時間の経過とともに把握できる4Boxシステムに感銘をうけました。そして日本でも導入すべきシステムのように思いました。また、こども病院には動物の名前がついた入り口があったり、施設設備の充実さに驚きました。そのあとはワシントン大学のキャンパスツアーに行きました。兵庫医科大学は単科大学なので、ワシントン大学のような総合大学のスケールのでかさに本当に驚きました。そのときに、ワシントン大学の図書館も見ることができたのですが、引率の先生方に歴史的建造物と聞いていた意味がわかりました。欧州の昔の大聖堂のような建物でした。そこでふつうに学生が大学の勉強をしているのに違和感さえ覚えました。最終日の夜はFarewell Partyがありました。ここでDr. McCormickから研修の修了証をいただきました。この会では今までお世話になった先生方に来ていただいて、楽しく食事ができました。

 最後にこの貴重な研修旅行の機会を下さった山西先生、ワシントン大学に受け入れてくださったDr. McCormick、研修中にお世話していただいた古山先生、野口先生そしてスタッフのみなさまにとても感謝しています。人生観が変わったように思います。この経験を機にさらに医師になるために頑張っていこうと思います。本当にありがとうございました。

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