広報
兵庫医科大学医学会
海外研修報告

汕頭大学医学院の研修を終えて

● 岡田 薫佳さん (第2学年次)

 海外での医療がどのようなものであるのか、以前から大変興味があり、3月15日からの8日間、汕頭大学医学院に留学させていただきました。この留学では、現地の学生だけでなく、カナダの学生とも接する機会が多くあり、お互いの国の医療や文化について話すこともでき、とても有意義な時間を過ごすことができました。

汕頭大学図書館
2日目 汕頭大学図書館

 1日目、汕頭の空港に着くと、先生が待っていてくださり、宿泊させていただくホテルで、これからお世話になる先生方と夕食をいただきました。食事はとてもおいしく、最後に出されたフルーツを見て、汕頭に来たことをあらためて実感しました。

 2日目、先生方が李嘉誠基金についてや、貧しい地域での医療ボランティアについてなど、さまざまなお話をしてくださいました。その後、医学生が使う実習室を周り、人工呼吸や気管挿管、聴診などの実習道具を見せていただきました。まだ2年生ということもあり、日本の実習道具がどの様な物なのかを知らず、比較できないことを残念に思いました。実際に汕頭大学の学生が実習を行っているところも見せていただきました。午後は、医学部以外の学部も集まっている汕頭大学のキャンパスの見学をさせていただきました。汕頭大学はとても広く、特に図書館はきれいで、自習環境も整っていました。学生食堂や講義室など、いろいろな所に入らせていただきました。

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3日目 貧しい地域でのボランティア

 3日目、貧しい田舎の地域でのボランティアに、汕頭大学の学生やカナダの学生と共に参加しました。小学校の建物を利用して診察を行っていました。たくさんの子供に会いましたが、中国語が話せないため、コミュニケーションをとるのがとても難しかったです。汕頭大学の学生はおもちゃを配っており、子供たちはとてもうれしそうでした。中には裸足の子供もおり、洋服も手作りのものを着ている子供もいました。その他にも、学生は血圧や視力をはかったり、病気についてのパンフレットを配ったりしており、私たちもそれに参加させていただきました。また、一般の家にも入ることができ、日本との違いを実感することができました。ボランティアでこられている汕頭大学の先生が、学生たちに医師として、このような人たちを助けることの重要さをお話されていたことが印象的でした。夕食は先生のお宅で手作りのおいしい家庭料理をいただきました。

 4日目、潮州の観光に行かせていただき、日本とは異なるお寺や町並みを見ることができました。その後、眼科の病院でお話を聞き、手術室にも入らせていただきました。この病院では予防接種も行っており、子供と母親で病院内はいっぱいになっていました。八角土楼にも連れて行っていただきました。円形のマンションのようなもので、中央の広場では子供たちが遊んだり、にわとりが飼われていたりしました。

 5日目、ホスピスで私は2件のお宅に入らせていただきました。ホスピスでは、医師のほかに看護師やソーシャルワーカーの方も同行して、患者のご家族に薬のことから補助金についてまで、幅広くアドバイスしていました。また、医師は患者の手をにぎりながら話しかけ、時間をかけて診察を行っていました。ホスピスに行かれる方は、あえて全員私服で、患者の家の周りの人たちに気づかれないようにしているとのことでした。その後、ホスピスの先生や汕頭大学の学生たちとのディスカッションがあり、中国と日本の医療システムの違いなどについて話し合いました。夕食も汕頭大学の学生たちと食べ、本当に長い間、お互いの国の医療について、話し合うことができました。

 6日目、口唇口蓋裂の治療を行っているセンターで、口唇口蓋裂の子供の病室に入らせていただきました。このセンターでは、口唇口蓋裂の子供以外にも、交通事故に遭った患者や重度のやけどの患者などが入院していました。第2病院の感染科にもマスクを着けて入らせていただきました。日本とは異なり、田舎の人は予防接種をあまりしないため、破傷風など、日本ではあまり見られない感染症で入院されている方もいらっしゃいました。午後からは、目の病気を持った子供たちがベッドに横になり、針治療を行っている場所などを見させていただきました。日本とは異なり、西洋医学と東洋医学のどちらも、ひとつの病院のなかで行われていることに驚きました。また、廊下にはそれぞれの検査をした場合の値段表が貼られており、これにも驚きました。その後、精神科のセンターを案内していただきました。センター内はとても広く、開放的で、広場には遊具やバスケットボールのゴールなどもあり、患者はセンター内で自由に過ごすことができるとのことでした。社会復帰のことも考えられており、その一環として、共同で作品を作ったり、集団で食事を取ったりするということが行われていました。

 7日目、東洋医学の説明を受けた後、手術室や救急の見学をさせていただきました。救急はとても狭く、医師をはじめ職員の方はとてもあわただしく働いておられました。救急のシステムも日本とは異なり、救急車がそれぞれの病院にあり、患者から一番近い病院の救急車がその病院まで運ぶということでした。

 最後になりましたが、8日間お世話になりました先生方、私たちの質問にとても丁寧に答えてくださり、また、さまざまな体験をさせていただき、本当にありがとうございました。中国の現状を見ることができ、いろいろなことを学び、考えることができました。このすばらしい経験を活かせるよう、これからも一生懸命勉強していきたいと思います。

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