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兵庫医科大学医学会
海外研修報告

汕頭大学医学院での研修を終えて (2011.3.17~3.24)

● 山下 奈都美さん (第3学年次)

2011年3月17日~24日までの8日間、汕頭大学医学院にて海外研修をさせていただきました。私はまだ半分ほどしか臨床の勉強をしておらず、5・6年生のように病院で実際の臨床の現場を見たことがなかったので、期待半分不安半分といった気持ちで中国に向かいました。

【日程】
17日:Welcome Party、オリエンテーション
18日:Clinical Skills Training Center見学
19日:郊外の病院(眼科)見学
20日:農村での貧しい人たちへの医療見学
21日:ホスピス見学
22日:第二附属病院(口唇口蓋裂センター、Eye Center、感染症、肝臓、精神科)見学
23日:第一附属病院(産科、救急)見学

以上のような日程で研修が行われました。

 李嘉誠先生の支援によりホスピス、貧困者に対する医療、口唇口蓋裂治療、眼科治療が無償で行われているそうです。中国の大学は学生数を増やせば増やすほど国からの補助金がたくさんもらえるそうですが、汕頭大学は学生の質を上げるために人数を増やすことはせず、基金からの援助により教育を行っているとおっしゃっていました。

 2日目のClinical Skills Training Centerには気管挿管や産科手技、腹腔鏡などの練習をするための模型がたくさんありました。汕頭大学では3、4年生のうちからこのような施設で手技の練習をするそうです。優秀な生徒だけしか使えないそうですが、日本にはこのような模型がほとんどなく教科書で勉強するだけなので低学年のうちから技術を身につける環境があって羨ましかったです。私は模型で気管挿管の練習をさせてもらったのですが、とてもモチベーションが上がりました。4日目には農村での医療を見学させていただいたのですが、一緒に農村に行った汕頭大の3年生の学生さんたちが率先して患者の血圧や体温を測定していて、同じ学年なのに私は血圧すら測ることができず日本との教育の違いを実感しました。農村部では医師国家試験に受かっていなくても医者になれると聞き驚きました。診療所なども見学させてもらったのですが、衛生環境が非常に悪く子どもたちは裸足で歩いたりしていて都市部との環境の差が激しかったです。

 3日目には郊外の眼科病院を、6日目には汕頭大学病院のEye Centerを見学させていただきました。大学病院のEye Centerは非常に大きく最新の設備が結集しているといった印象を受けました。郊外での眼科病院も設備は整っていたのですが少ない医師数でたくさんの患者を診たり手術をしたりしなくてはならないそうで、中国は日本よりも医者が都市部に集まる傾向が強いらしく農村部の医師不足はかなり深刻だと思いました。患者側も農村部や小さな病院の医者を信用しておらず風邪でも大学病院に行くそうです。

 7日目の産科ではなんと手術室で帝王切開を生で見させていただきました。授業では何度も手術のビデオを見せてもらっていましたが実際の手術を見たのは初めてだったので、身の引き締まる思いがしました。

 この汕頭大学での研修では日本ではまだ経験したことのないことを経験させていただいたり海外の医療の現場を生で感じることができたりと、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。初めは3年生であるということもあり不安が多少ありましたが、逆に医療の現場に出ていないからこそ受けた印象や感じた疑問もありました。現地の先生方に日本の医療について質問された時や自分の意見を求められた時に答えられないことが多かったので、普段から物事について深く考える癖をつける必要があると思いました。今回はずっと日本語の堪能な先生方に引率していただいたので言葉の問題はあまりなかったのですが、所どころで自分の英語力が足りなかったばかりに説明がわからなかったりコミュニケーションが取れなかったりしたので、英語の重要性を痛感しました。医学の勉強とともに英語の勉強にも励みたいと思います。

 最後に、このような素晴らしい機会を与えてくださった波田副理事長、程先生、現地でお世話になった先生方、協和会国際交流基金に深くお礼を申し上げます。

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