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兵庫医科大学医学会

泌尿器科学

講座(部署)紹介

 泌尿器学が取り扱う臓器は尿路および男性生殖器であるが、その分野は腫瘍、移植、結石、先天異常、排尿障害、アンドロロジーなど多岐にわたる。

 泌尿器学における高度先進医療を支えられるような優れた研究成果をそれぞれの分野の基礎研究・臨床研究から発信することを目標としている。

  • 尿路性器癌における治療効率の向上を目標した化学療法プロトコール
  • 浸潤性膀胱癌における膀胱温存を目的とした動注化学療法
  • 腎盂尿管癌における低い膀胱再発率を目的とした膀胱内注入療法
  • 早期前立腺癌における小線源組織内照射
  • 早期前立腺癌におけるロボット支援下前立腺摘除術
  • 小径腎細胞癌におけるロボット支援下腎部分切除術
  • 腎、副腎手術における腹腔鏡下低侵襲手術
  • 先天性尿路性器疾患の腹腔鏡下低侵襲手術
  • 安全な手術を実現するための画像支援システム
  • 腎移植における高い生着率、生存率を目的とした治療システム
  • 小児の排尿発達と疾患の臨床的及び基礎的検討
  • 泌尿器癌に対するγδT細胞を用いた養子免疫慮法
  • 進行性腎癌に対する新たな抗癌薬物療法の開発
  • 尿路感染症の発症機構の解明および防御機構の開発
  • 尿路病原性大腸菌の薬剤耐性機構の解明

研究の現状

概要
当教室では一般泌尿器科学だけでなく、尿路生殖器癌、尿路性器感染症、腎移植、小児泌尿器科について臨床及び基礎研究が行われている。


主題
  1. 尿路感染症:
    基礎研究としては、キノロン耐性の機序としてはキノロン耐性決定遺伝子領域(QRDR)の変異が有名であるが、キノロン感受性大腸菌を高濃度キノロン環境下で培養することによりQRDR変異を伴わない高度キノロン耐性が誘導されることも確認され、その主な機構は薬剤排出ポンプに依存していることを解明している。臨床研究としては、日本感染症学会・日本化学療法学会の抗菌薬使用ガイドライン、日本泌尿器科学会の周術期感染症予防ガイドライン等のエビデンスとなるべく多施設共同研究を推進している。
  2. 腎移植における高い生着率をめざした治療システムの開発:
    抗ドナーHLA抗体の新規検出法であるICFA−クロスマッチの結果と抗体関連拒絶反応の相関の検討、新規免疫抑制剤エベロリムスの有用性の検討、リツキシマブを使用した移植前脱感作療法の検討、先行的腎移植の有用性と問題点の解析、などを中心に腎移植における高い生着率をめざした安全かつ円滑に腎移植治療に移行できる事を目的として、移植導入および維持治療のテーラーメイドシステムを開発している。また、健康成人の生体腎ドナーに対して侵襲的治療である移植腎採取術を可能な限り安全かつ低侵襲とするため、腹腔鏡または後腹膜鏡下手術によって腎採取を行い、術後ドナーの腎機能と長期予後について長期的継続調査を実施中である。
  3. 小児泌尿器科:
    以下のような臨床及び基礎的研究を行っている。(1)小児下部尿路症状を評価するツールとしての質問票の標準化と、膀胱尿管逆流症などの病態評価への適用。(2)トイレットトレーニング前の乳幼児におけるセンサーつきおむつによる排尿動態検査システムの開発。(3)尿道下裂の長期男性機能予後に関する研究。(4)腹腔鏡下手術またはロボット支援下手術による腎盂尿管移行部狭窄や膀胱尿管逆流に対する低侵襲手術の標準化。
  4. 安全で低侵襲なロボット支援下手術、腹腔鏡下手術の開発:
    小径腎癌に対する腹腔鏡下腎部分切除術においてその安全性、有効性を、RENALスコア、PAUDAスコア、手術時間、阻血時間、出血量、周術期合併症、術後腎機能、術後がん制御率、患者QOLなどにより前向きに評価している。さらに3D画像、3Dプリンターを用いた腎部分切除およびロボット支援下根治的前立腺切除術におけるナビゲーションシステムの確立を目指している。
  5. 泌尿器科治療とQOL:
    医療者は科学的根拠と患者の価値観両方のバランスを取りながら、競合する複数の治療選択肢の中から患者にとってベストの選択を要求される時代となった。泌尿器科治療の医療成果評価の1つとして前立腺癌に対する小線源療法やロボット支援下前立腺摘除術を中心にQOL解析を積極的に行っている。これらの結果は実臨床の場で多様な治療選択を迫られる医療者および患者に対して貴重な示唆となる可能性を秘めている。
  6. 腎盂尿管癌:
    腎盂尿管癌に対する腎尿管全摘除術後の膀胱内再発率は2年で50%と比較的高く、腫瘍の多中心性発生のみならず、手術中の操作により腫瘍細胞が膀胱内に散布されることが一因とされている。そのため、手術直後に膀胱内に抗癌剤(塩酸ピラルビシン)を注入することで膀胱内再発を予防できるかについて他施設共同RCTを行っている。


自己評価・点検及び将来の展望
 尿路生殖器癌に関して、より迅速で正確な診断技術の開発、低侵襲かつQOLの高い治療法の導入を通じて、臨床現場に貢献できていると考える。各種ロボット支援下手術も定着し、日常的に安全に施行できる環境にある。小児先天性疾患領域においても、膀胱尿管逆流症、腎盂尿管移行部狭窄等に対する腹腔鏡下手術が可能となった。腎移植は本邦でも最高レベルの移植腎生着率のさらなる維持・向上が目標である。

山本 新吾 主任教授
山本 新吾 主任教授
責任者| 山本 新吾(主任教授)
専門領域:低侵襲治療・尿路感染症
教授| 野島 道生
専門領域:腎移植
准教授| 兼松 明弘
専門領域:低侵襲治療・小児泌尿器科
講師| 呉 秀賢、鈴木 透
TEL| 0798-45-6366
FAX| 0798-45-6368

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