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兵庫医科大学医学会

内科学(消化管科)

研究内容・専門分野

  1. 機能性消化管疾患の基礎的・臨床的研究
    • 機能性ディスペプシアは複数の原因による症候群であるため、病態は複雑で、胃底部の適応性弛緩不全、胃排出遅延、知覚過敏、社会心理的因子、胃酸、 Helicobacter pylori (H.pylori)感染、遺伝的要因などが考えられている。我々はそれぞれの因子と症状発現の関連を基礎的・臨床的に検討している。
    • 胃底部の適応性弛緩不全、胃排出能障害については、胃シンチグラフィ、胃バロスタット検査による病態把握を試みている。
    • 機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群は合併することもあることからそれぞれの治療に有効な薬剤がそれぞれの病態の症状に与える影響について臨床試験を行っている。
    • 機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群に対する種々の薬剤の治療効果を二重盲検試験等による臨床試験によって検証している。
    • 食道アカラシアなどの機能性食道疾患に対して食道内圧測定検査等の専門的な検査を行い、またバルーン拡張治療を行っている。
  2. 消化管癌の化学療法
    • 食道癌、胃癌をはじめ上部消化管疾患のなかで、悪性腫瘍は大きな比重を占める。 早期診断により低浸襲性治療の恩恵を受ける患者さんがおられる一方で、手術ができない進行癌で発見される患者さんも多いのが現実である。 最近は分子標的薬を抗がん剤と一緒に使用することで、患者さんの予後が改善してきた。しかし、大腸がんと比較すると依然十分であるとは言えず、新規薬剤あるいは新規投与法の臨床試験を行っている。
    • 種々の抗がん剤による症状を制御する薬剤の投与を検討することにより患者さんのさらなるQOL改善を目指した治療法の開発に取り組んでいる。
  3. 胃食道逆流症における臨床的検討と食道粘膜防御機構の基礎的検討
    • 胃食道逆流症は、従来欧米に多いと言われていたが、近年の生活習慣の欧米化、酸分泌能の増加、Helicobacter pylori (H.pylori) 感染率の低下、肥満の増加などから、わが国においても増加傾向にある。またQOLが著しく低下していることが指摘されており、より効果的な治療法の開発が必要であり、種々の薬剤の治療効果を臨床試験によって検証している。
    • 胃食道逆流症におけるびらんを認めない非びらん性胃食道逆流症などの病態において食道知覚異常が指摘されており、酸灌流試験、食道バロスタット検査、食道電気刺激検査により病態解明を試みている。さらに食道粘膜における痛みに関連する蛋白の発現解析を基礎的に検討している。
    • この症状発現メカニズムとして酸や胆汁酸の重要性が指摘されているが、これらの逆流による上皮のバリア機能低下が胸やけや食道知覚異常などの症状発生に関与している可能性があり、正常ヒト食道扁平上皮細胞層モデルを開発し、種々の刺激の食道粘膜上皮のバリア機能への影響とバリア機能に重要な細胞層とタイト結合蛋白の同定を試みている。
  4. 早期癌の内視鏡的粘膜下層剥離術
    • 近年、早期癌の治療として内視鏡的粘膜下層剥離術が普及し、我々も積極的に治療を行っている。本治療では、これまでの粘膜切除術に比し穿孔や出血などの術中・術後合併症が問題となりその要因の解析や、切除後の止血術や薬物投与法など術後の出血予防に必要な事項につき検討を行っている。さらに異時性多発についても重要な問題であるその要因・制御の検討を行っている。
    • 胃癌と胃腺腫はその発生について今なお多くの議論が有り、近年、胃粘液形質の違いなどから多くの検討が行われている。我々は、増殖と転移に関連する可能性のある細胞間接着装置に着目し、その発現と腺腫・癌との関連を検証している。

臨床研究

≪研究課題1≫ ピロリ除菌およびアスピリン内服による胃癌の化学予防に関する分子病理学的研究

【実施期間】
2010年11月〜2018年3月31日

【対象となる患者さん】
ピロリ除菌後あるいはアスピリン製剤を内服後3年以上経過して胃癌になった患者さんと胃癌になっていない患者さん

【研究の要旨】
ピロリ菌に感染していない方には胃癌は発生しないとされています。また、ピロリ菌に感染している場合でも除菌治療を行うと胃癌の発生は抑えられるとされ、今ではピロリ菌の除菌治療が積極的に行われるようになりました。さらに、鎮痛剤(非ステロイド性消炎鎮痛剤)や低用量アスピリンを内服している患者さんでも胃癌の発生が抑えられることもわかっています。
しかし、ピロリ除菌後あるいはアスピリン製剤を内服しているにもかかわらず、少なからず胃癌に罹る方がいます。一方で、胃癌にならない方もいらっしゃいます。この違いの原因として、胃癌になった人の胃粘膜には、胃癌にならなかった人に比べ多くの遺伝子異常が蓄積している可能性が考えられます。しかし、その遺伝子異常の違いが、どの程度異なっているのか、はっきりしたデータがありません。
そこで、除菌後あるいはアスピリン製剤を内服後3年以上経過して胃癌になった患者さんと胃癌になっていない患者さんの胃粘膜での遺伝子異常の違いについて、内視鏡検査で採取した生検材料を用いて解析しています。
この研究は、既に本大学倫理審査委員会で承認された研究(倫ヒ第136号)の継続でもあり、以前、採取した検体も使用し解析を行わせて頂いております。

【実施責任者・担当者】
三輪 洋人(実施責任者)、渡 二郎(研究担当者)

【研究の問い合わせ先】
兵庫医科大学 内科学消化管科 0798 (45) 6111(代)

≪研究課題2≫十二指腸癌の粘液形質からみた分子異常解析

【実施期間】
2016年4月~2018年3月31日

【対象となる患者さん】
2009(平成21)年から当科で内視鏡検査を行い、病理学的に十二指腸癌と診断された患者さん

【研究の要旨】
十二指腸癌の細胞の種類(粘液形質)には、大腸癌に似た性質(腸型)をもつ細胞や胃癌に似た性質(胃型)をもつ細胞、また両者の性質を併せ持つ細胞があることがわかっています。これらの違いを遺伝子レベルで検討するために十二指腸癌の患者さんを対象に、生検組織や内視鏡的あるいは外科的に切除した標本を用いて癌の粘液形質を検討し、それぞれの形質における遺伝子異常について行っています。

【実施責任者・担当者】
三輪 洋人(実施責任者)、渡 二郎(研究担当者)

【研究の問い合わせ先】
兵庫医科大学 内科学消化管科 0798 (45) 6111(代)

≪研究課題3≫十二指腸癌の粘液形質からみた化学療法の効果予測に関する研究

【実施期間】
2016年1月〜2018年3月31日

【対象となる患者さん】
2009(平成21)年から当科で内視鏡検査を行い、病理学的に十二指腸癌と診断された患者さん

【研究の要旨】
十二指腸癌に対する化学療法は未だに確立されていません。一般的に大腸癌に準じた化学療法のスケジュールで行われますが、胃癌に対する化学療法が奏効する場合もあります。十二指腸癌の細胞形質(粘液形質)には、大腸癌に似た性質(腸型)をもつ細胞や胃癌に似た性質(胃型)をもつ細胞、また両者の性質を併せ持つ細胞があることがわかっています。そこで私たちは、化学療法の適応となる十二指腸癌の患者さんを対象に、生検組織を用いて癌の粘液形質を検討し、治療効果のある化学療法の研究を行っています。

【実施責任者・担当者】
三輪 洋人(実施責任者)、廣田 誠一、渡 二郎(研究担当者)

【研究の問い合わせ先】
兵庫医科大学 内科学消化管科 0798 (45) 6111(代)

講師A
三輪洋人(主任教授) 渡二郎(臨床教授) 福井広一(准教授) 大島忠之(准教授) 富田寿彦(講師) 應田義雄(内視鏡センター)

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三輪 洋人 主任教授
主任教授| 三輪 洋人
専門分野:消化管疾患
TEL| 0798-45-6665
FAX| 0798-45-6661

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

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