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兵庫医科大学医学会

超音波センター

研究内容・専門分野

超音波センターは、消化器特に肝臓領域を専門とする医師4名(教授・講師・病院助手)、循環器内科助教1名、臨床検査技師18名で腹部や循環器領域を中心に診療にあたっている。画像診断においては、各診療科と連携することで、深部静脈や乳腺、甲状腺など、あらゆる超音波検査の依頼に対応できる体制を整えている。

また、多くの超音波を用いた専門的診断および治療も行っており、肝胆膵科と連携して行っている年間約230例の肝生検や、約70例の肝癌のラジオ波治療、また肝胆膵外科と連携している約120例の術中造影超音波検査等は、本邦でも有数の症例数である。さらに超音波による非侵襲的線維化診断は世界的にも最も多く、平成24年度には1530例であったが毎年増加し、平成28年度は3882例と倍以上の施行件数となっている。これは日常臨床でも当日に結果をお知らせできるシステムである。

教育に関しては、肝胆膵科実習時の学生に対する超音波実習に加え、毎週火曜日の検査終了後より腹部超音波のオープンカンファレンスを開催し、当院の研修医や他科の医師等に対しても指導を行っている。

研究の現状

概要

超音波センターでは、肝胆膵領域を中心とした臨床・基礎的研究を行っている。超音波機器メーカーや工学部と連携することで、最新の超音波技術をいち早く得ることができ、様々な新技術を利用した研究を積極的にすすめている。心エコーに関しては循環器内科教授の指示により技師についても診療検査等を行っており、超音波センターとしては協力という形であり研究内容については、循環器内科教授に委ねる。

主題

  1. エラストグラフィの各種診断の有用性と病態解析
    肝疾患では原因検索や病期進展把握のため肝生検が必要であるが、侵襲を伴う。エラストグラフィは肝生検に替わる非侵襲的肝線維化診断法で、現在組織診断と症例数は世界的にもトップクラスを誇る。発癌リスク予測、その他のエラストグラフィや血清線維化マーカーなどの診断能との対比によるエラストグラフィの臨床的意義の検討を行っている。
  2. 脂肪性肝障害の診断
    (1)脂肪減衰による非侵襲的診断法の確立(2)非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の造影超音波診断法の確立(動物実験を重ね論文発表している)について検討をすすめている。減衰定量法による新しいNASH診断法を機器メーカーと共同研究し本年度から臨床応用予定である。
  3. 肝癌悪性度診断
    造影超音波による肝細胞癌の微細血管構築とKupffer機能評価を組み合わせた悪性度診断を提案しており、肝胆膵外科との共同研究で手術標本との対比などによりこの分類法が肝癌の悪性度に関連することや、再発や予後予測に有用である。
  4. 分子標的治療薬の早期治療効果予測法および副作用早期発見
    進行肝細胞癌に対する分子標的治療薬は高額な医療費や特徴的な副作用などより、早期治療効果判定法の確立が切望されているが、確立した方法はない。そこで動物実験も含めながら造影超音波検査の高時間・空間分解能を利用した治療効果予測法を確立した。
  5. 癒着研究
    肝胆膵外科との共同研究で腹腔内癒着に関する超音波診断法を確立した。

自己評価・評価及び将来の展望

公的成果として、肝細胞癌早期発見研究の厚生労働省科学研究の班員として乏血性肝腫瘍の診断基準を報告、超音波医学会では肝臓超音波エラストグラフィ診療ガイドライン、脂肪肝診断基準作成に参画した。現在、肝癌診療ガイドラインの委員として作成に参加しており、本年度秋には新ガイドラインが発表される予定である。科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)代表研究者として「肝線維化・脂肪化の新規超音波診断法の開発と発癌予測・バイオマーカーの探索への展開」に着手している。また、厚生労働科学研究費補助金(1)肝炎等克服政策研究事業「効率的な肝炎ウイルス検査陽性者フォローアップシステムの構築のための研究」の分担研究者として活動終了し、(2)肝炎等克服政策研究事業「HCVに対する抗ウイルス治療後、SVR後の病態に関する研究」(3) 肝炎等克服政策研究事業「慢性ウイルス性肝炎の病態把握(重症度・治療介入時期・治療効果判定・予後予測)のための非侵襲的病態診断アルゴリズムの確立」の分担研究者として現在活動中である。

研究は肝臓領域中心にすすめてきたが、2011年以降はその結果が集積し、欧州肝臓学会(EASL)、世界超音波医学会(WFUMB) 、米国肝臓学会(AASLD)など年間 4-7演題の国際学会で発表を行っている。ヨーロッパや米国の施設との国際共同研究の成果もそれぞれ1論文ずつ、国内でも多施設共同研究の成果が1論文、当センターからも非侵襲的診断法による肝発癌リスク予想や肝癌悪性度評価の論文を含め多数の論文を発表している。また整形外科領域の研究では、軟部腫瘍の超音波診断が進行中である。

今後の展望としては、超音波が広く普及し初期治療に役立つよう若手医師の育成、また精密検査ができる専門医の育成を積極的に行う。日本超音波医学会検査指導士(腹部領域)1名、心エコー図学会認定専門技師1名が誕生し、さらに指導的立場をとれる技師の育成に努める。

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教授| 飯島 尋子
講師| 西村 貴士

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

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