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兵庫医科大学医学会

外科学(呼吸器外科)

講座(部署)紹介

呼吸器疾患を専門に「自分や、自分の家族が受けたい医療」を目標に、臨床外科医の立場で呼吸器外科診療全般に日々力を尽くしています。平成28年度までの10年間の平均年間手術症例は全身麻酔症例が約330例、うち内視鏡手術は約220例でした。肺癌(約110例)を含む原発性胸部悪性腫瘍は約180例、転移性肺腫瘍は約45例、稀な癌である悪性胸膜中皮腫は年々手術症例が増加し、最近5年前の年間10例から、昨年度は年間約20例強に増加しました。当科の特色である悪性胸膜中皮腫につきましては、2つの多施設共同臨床試験を完了し、現在更に次世代の研究に取り組んでおります。肺癌では、原則として胸腔鏡による手術を行います。進行癌では拡大手術や集学的治療により根治度の高い外科治療を目指します。また、超音波気管支鏡(EBUS)でリンパ節転移を正確かつ侵襲の少ない検査で評価します。治療方針は、呼吸器内科・放射線科・病理学とともに行う呼吸器腫瘍評議会(呼吸器病態・画像・病理セミナー)で毎週検討します。通常の手術の平均入院日数は短縮が進み、平均して10日間程度です。他、縦隔腫瘍、重症筋無力症+胸腺腫の手術治療も含め、気胸・膿胸・胸部外傷など呼吸器外科全般が守備範囲です。特に関係の深い急性医療総合センター、カンファレンスを定期開催する病理部、中皮腫センター、呼吸器内科、放射線科、胸部腫瘍科、また、手術では心臓血管外科をはじめとする外科部門など各科と協力し、地域の最後の砦としての責務を果たすべく医療に関わっております。

研究の現状

概要

当科では患者さんに対する診療とともに臨床研究・基礎医学研究を継続的に行っております。たとえば、肺癌に対する治療成績向上のため診断精度の強化・生物学的特性に基づいた治療に関する探索的研究など。特に、最近社会的関心を集めている悪性胸膜中皮腫に関しては、2つの多施設共同臨床試験を経て、次世代の臨床研究を進めております。当科部長がセンター長を兼任いたします中皮腫センター(旧 中皮腫・アスベスト疾患センター)を有する当院へ患者さんが集中し、経験する症例は全国で最多です。

主題

  1. 超音波気管支鏡(EBUS)による肺癌縦隔リンパ節転移評価:
    超音波ガイド下針細胞診(EBUS-TBNA)は縦隔リンパ節病変の確定診断に有用であり、本検査により全身麻酔を必要とする縦隔鏡等の侵襲的検査の代替になります。的確に手術適応を決定し治療戦略を立てることによって、胸部悪性腫瘍、とりわけ肺癌の治療成績向上に寄与します。肺癌臨床病期N2に対する多施設協同研究を完了し、EBUSの普及と臨床的有用性のエビデンス確立に貢献しています。
  2. 胸部悪性腫瘍の診断と集学的治療:
    肺癌や胸膜中皮腫等の生物学的特性の解明に向けての探索的研究を行っています。肺癌では遺伝子情報に基づいた治療法の選択に関する研究成果を実際に臨床応用し、集学的治療による治療成績の向上を目指します。術後補助化学療法の可能性と毒性に関する臨床情報を蓄積して解析し、生物学的特性に基づく手術後の予後や術後化学療法の効果予測に関する研究も行なっています。   
  3. 胸部悪性腫瘍の循環血液中腫瘍細胞(CTC):
    悪性胸膜中皮腫,肺癌などの胸部悪性腫瘍に対して循環血液中の腫瘍細胞の検出を目的に平成18年より症例を蓄積し解析を行っています。得られるデータを臨床病期・病理診断・治療法・再発・転移・予後等の臨床情報とともに多角的に解析します。CTCが新たな病期診断や治療効果判定の指標となる成果を発表しました。
  4. 悪性胸膜中皮腫の全国調査:
    2017年4月より、「悪性胸膜中皮腫の前方視的データベース研究」という悪性胸膜中皮腫の本邦における悪性胸膜中皮腫を前向きに登録する臨床研究を立ち上げております。全国規模のデータベースを構築し、本邦の治療の現状と治療成績を調査し、悪性胸膜中皮腫に関する研究ならびに診療の進歩・普及を図ることを目的とする大事なプロジェクトです。

自己評価・点検及び将来の展望

われわれの教室の理念は「自分や自分の家族が受けたい医療を行う」こと。今後も地に足のついた呼吸器外科臨床が教室の根幹であると考えています。現時点での最良のエビデンスに基づきながら、エビデンスに振り回されることなくそれぞれの患者さんにとって最良の治療を提供することを教室の使命と考えます。同時に、診断精度・治療成績向上のために新たな方法を開発することも重要です。対象疾患である原発性肺癌に対して、外科治療を中心に、化学療法・放射線療法・その他の治療法や、分子生物学・腫瘍免疫学・細胞生物学的に基づいた多角的な治療戦略の確立を目指し、臨床および研究を継続します。今後も新たな科学的発展を目指し、呼吸器領域における新たな臨床・治療・研究・教育に取り組んでおります。

長谷川 誠紀主任教授
長谷川誠紀主任教授
責任者| 長谷川 誠紀(主任教授)
副院長、外科系統括部長、手術センター長、中皮腫センター長、胸部腫瘍学
専門分野:呼吸器外科一般(悪性胸膜中皮腫、肺癌、縦隔腫瘍など)、胸腔胸手術、肺移植、呼吸器内視鏡
講師| 近藤 展行
松本 成司
多久和 輝尚
TEL| 0798-45-6885
FAX| 0798-45-6897

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