医学部 - 講座紹介

病理学(分子病理部門)

専門部門(基礎・臨床連携講座)

病理学は最も古くからある医学分野の一つで、現在では基礎医学と臨床医学の架け橋となる領域に位置しています。患者の病態や採取された組織から得られた疑問点を研究で明らかにし、臨床の現場に還元する「トランスレーショナルリサーチ」が行われる医学領域になります。組織を見て研究する病理学は古典的な印象を持たれがちですが、近年の目覚ましい技術革新によって、従来回収した細胞塊からしか調べることが出来なかった転写産物や代謝物、エピジェネティクス変化や多種類のタンパク質が、一組織切片上において高い解像度で「空間分布」を見られるようになっています。「組織の空間的把握」が研究の核となる病理学は今後飛躍的に発展が期待できる医学分野と考えられます。

そのような潮流の中で、私たちは病理学と分子生物学的、生化学的手法を融合させ、がんの進行に寄与するがん細胞や腫瘍微小環境の「代謝変化」、「エピジェネティクス変化」、「シグナル変化」を明らかにする研究に取り組んでいます。また、細胞の代謝において重要な役割を果たすミトコンドリアやリソソームなどの細胞内小器官のがんの進行における役割を明らかにする研究にも取り組んでいます。これらの研究により、「がん細胞がどのような環境でどのように呼吸し、どのような栄養物を代謝して生存・増殖しているか」を明らかにし、新たな治療法や診断法の開発につなげていきたいと考えています。そして、現在治癒できないがんの治療を可能にするという「夢」を実現していきたいと考えています。

講座情報

主任教授
大島 健司
講師
佐藤 鮎子
TEL
0798-45-6427
FAX
0798-45-6426
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