医学部 - 講座紹介

産科婦人科学

専門部門(臨床医学系講座)

1. 産科部門
総合周産期母子センターとして24時間体制で緊急母体搬送の受け入れをしています。新生児集中治療室(NICU)や母体胎児集中治療室(MFICU)において、妊娠22週から37週未満の切迫早産や、合併症のある母体と胎児を管理しています。分娩時の大量出血などの母体救急に対しては麻酔科、放射線科などとも連携し、母体の健康を守ります。
出生前診断については、全国でもトップクラスの実施件数があります。高年妊娠などの一般的な対象から、特定の遺伝性疾患をお持ちの方の出生前診断も実施しています。十分な遺伝カウンセリングの上、確定診断検査として羊水細胞や絨毛検査、非確定診断検査として母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(NIPT)、母体血清マーカー検査、エコー検査を行っています。出生前診断については専用のホームページを開設していますので、こちらをご覧ください。
研究分野では主に臨床研究として、遺伝子医療部と協力し、胎児骨系統疾患の出生前診断を行っています。また、精神科神経科とともに妊娠・分娩にかかわるメンタルヘルスケアを行っています。

2. 婦人科部門
婦人科では女性特有のがん患者を診ています。卵巣がん、子宮体がん、子宮頸がんが多いですが、肉腫や希少がんの患者さんも少なくありません。多彩な組織型に応じた治療が必要で、幅広い知識と経験が必要とされます。
なおこれまでは顕微鏡を用いる病理学的な診断で治療方針を決めていましたが、最近ではがんゲノム医療が進歩し、患者さんそれぞれのがんの遺伝子も解析し、抗がん剤などによる適切な治療法を提案しています。また婦人科では上腹部から骨盤まで広範囲に手術を行っています。進行したがんでは開腹手術を、早期に発見されたがんでは腹腔鏡などの侵襲の少ない治療を行っています。
研究分野では、ドラッグリポジショニングに取り組んでいます。がん細胞やマクロファージを用いた基礎実験と実際にがん患者の方たちに投与して作用機序を探索するトランスレーショナルリサーチを行っています。最近は、メタボローム解析により新規がん治療ターゲットを探索中です。

3. 生殖内分泌・不妊・不育部門
思春期以降の月経に関する悩み(不順・月経痛)や、様々なご相談に対応しています。更年期の辛い症状は、ホルモン補充療法等により治療しています。
生殖医療センターでは、妊活しているがなかなか妊娠できない不妊症、妊娠するが赤ちゃんが産まれず途中で流産する不育症に該当する方々を、1人でも多く救いたいという思いで診療・研究にあたっています。最先端の体外受精・胚移植はもちろん、腹腔鏡・子宮鏡・卵管鏡による内視鏡手術も行い、患者さんの妊娠する力、妊娠を維持する力を総合的に高めていきます。
また子宮内や全身の免疫に関する国際的にも認められた研究成果をもとに、斬新なアプローチによる治療法を採用しています。今後も安全かつ有効で、世界的にも最先端の治療法の確立を目指しています。
配偶子(卵子・精子)や受精卵の凍結保存に関する研究、抗精子抗体を中心とした受精機構の解明に関する研究、受精卵の酸素消費や形態学的評価からより良好な胚を選別するための研究、妊娠の成立・維持機構における母体側免疫細胞の関与の詳細を解明する研究、子宮内膜症の病態解明と治療法に関する研究、と卵子・精子・受精卵・子宮と妊娠をとりまく全ての領域に渡る研究を行っています。

講座情報

主任教授
馬淵 誠士
教授
鍔本 浩志、澤井 英明(兼務)、田中 宏幸(兼務)
准教授
福井 淳史
講師
山谷 文乃、脇本 裕、竹山 龍
TEL
0798-45-6481
FAX
0798-46-4163
講座専門サイト
https://www.hyo-med.ac.jp/department/obgy/
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