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兵庫医科大学医学会

炎症性腸疾患学(外科部門)/IBDセンター

講座(部署)紹介

炎症性疾患(IBD)学講座は平成26年1月に新しく設立された講座です。内科部門と外科部門の2部門があります。IBDの代表的な疾患として、潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)があります。両疾患ともに右肩上がりの増加を示しており、現在IBDの患者数は、UC:18万人、CD:4万人前後と推定されています。本邦ではIBDを専門とする内科医はある程度増加してきましたが、外科医は非常に少ないのが現状です。兵庫医科大学は、IBDの専門病院として約20年前から内科も外科も専門医が在籍し診療にあたってきました。平成21年に患者様の利便性を向上させるために、兵庫医科大学病院にIBDセンターを設立しましたが、今後は講座開設に伴い、IBDの専門医の育成並びに多施設とも協力しながら臨床研究だけでなく、病態解明にむけた基礎研究も推進させてまいります。

研究の現状

概要

当科の対象疾患は潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)を中心に、ベーチェット病、腸結核などすべての炎症性腸疾患を対象としている。難病に指定されているIBDのQOLの向上を目指し、IBD内科や多施設とも連携しながら高度な診療・研究体制を取っている。

主題

  1. 潰瘍性大腸炎の周術期成績の向上:
    UC症例では手術時年齢と周術期死亡との間に関連性があることが報告されている。周術期死亡症例を減少させるためには、特に60歳以上の高齢者の手術時期の見極めが重要である。高齢者の治療は若年者と異なる治療指針を作成しなければならない。そこで、内科医とともに、重症・劇症のUC症例に対する治療法の確立と適切な治療効果の判定時期について検討中である。
  2. 難治性回腸嚢炎に対する治療法の確立:
    UC術後のJ-pouch内に再び炎症が生じる病態を回腸嚢炎としている。この病態解明はまだなされていない。回腸嚢炎に対する治療法のガイドラインは示されているが難治例に対する治療法は確立されていない。このような症例に対する、抗TNFα抗体製剤、血球成分除去療法や漢方の効果について検討中である。
  3. 潰瘍性大腸炎術後に生じる上部消化管病変の現状調査:
    UCは大腸に限局して生じ、大腸を全摘すると根治できると考えられていた。しかし上記の回腸嚢炎だけでなく、十二指腸や小腸にもUC類似の病変が出現することが分かってきた。病変出現時には大量出血を伴うことが多く、致命的になる。この原因究明は急務であるが、現状調査のために、厚労省班会議のプロジェクト研究に参加し、実態調査を行っているとことである。
  4. クローン病の直腸肛門病変に対するサーベイランス法の確立:
    CDの発癌は従来極めて稀であると報告されてきたが、本邦においてはCDの発癌症例の急激な増加が見られている。欧米では右側結腸に多いと報告されているが、本邦では90%以上の症例が、難治性の直腸肛門病変に合併している。そこでこのような患者のサーベイランスプログラムの作成のために厚労省班会議のプロジェクト研究に参加している。
  5. 炎症性腸疾患とsurgical site infection(SSI):
    術前から免疫調節剤を使用することが多いIBD症例では、術後のSSIの発生率は通常の大腸手術と比べて高いと報告されている。そこで感染制御部と協力しながら、SSIのサーベイランスを毎週行い、実態を把握するとともに、適切な抗菌剤の使用法について検討中である。

自己評価・点検及び将来の展望

潰瘍性大腸炎の手術症例数は本邦で最も多いため、これらの症例をもとに、臨床研究の論文を中心に発表してきた。また、切除標本を利用した基礎研究、特にIBDの発癌機序の解明については他施設とともにいくつかの研究が進行中であり、今後も継続していきたい。クローン病の領域でも手術症例数は1300例、延べ手術回数は1600回を超えており、西日本では最も症例数の多い施設である。この症例数を背景に、主に臨床研究を中心に行ってきたが、今後も再手術率を低下させるための、吻合法の改良や、術後の適切な抗体製剤の使用等について臨床研究を中心に行っていきたい。

また、本邦ではIBDを専門とする外科医は非常に少ない。増加が著しいIBD症例に対応するために、専門医の育成は、炎症性腸疾患学講座にとって重要な課題であると考えている。

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池内 浩基 主任教授
教授| 池内 浩基
(主任教授)
准教授| 内野 基
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FAX| 0798-45-6373

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