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兵庫医科大学医学会

先進糖尿病治療学

研究の現状

概要

本講座では、糖尿病の病態把握と日常臨床の分析データに根ざして、今後ますます多様化してゆくと考えられる糖尿病治療の適正化とテーラーメイド化を試みるとともに、糖尿病合併症の1次、2次予防を目標とした包括的治療戦略の確立を目指した研究を展開している。

主題

  1. 先進的インスリン治療法の確立
    確実な糖尿病診療の実現にはそれを正確に評価する血糖測定システムによる支援が不可欠である。持続血糖モニター(CGM)と持続皮下インスリン注入(CSII)システムとの協働によるSAP(Sensor Augmented Pump)療法の至適な治療プログラム方法の確立を目指している。 また、新規インスリンアナログ製剤の開発が進んできているが、新たなインスリンデバイスの治療効果、および個々の患者に合わせた最適なインスリン投与方法の検証を行っている。
  2. 血糖変動および重症低血糖の評価と制御方法の確立
    不安定な血糖変動や重症低血糖は糖尿病関連死や合併症との関連が示されている。血糖変動幅や重症低血糖の制御のために、自己血糖測定(SMBG)およびCGMデータと薬物治療の連携を試みている。さらに、新たな血糖変動の評価方法の確立、血糖変動指標と酸化ストレスマーカーとの関連などについても評価を行い、合併症予防に向けた治療戦略の構築を進めていく。
  3. 新規糖尿病治療薬を中心とした薬物治療戦略の確立
    本講座では個別の症例におけるインスリン分泌障害・インスリン抵抗性の評価、さらには消化管ホルモンやグルカゴン分泌等による代謝学、内分泌学的な包括的病態評価から至適な薬剤介入プログラムを設定し、その治療効果を分析している。
  4. 糖尿病腎症の進展マーカーによる評価と看護、栄養学的な集学的介入法による合併症進展抑止策の開発
    近年のレニン・アンジオテンシン系抑制薬を用いた腎保護治療など、慢性腎臓病(CKD)をターゲットとする治療技術の向上とともに、糖尿病腎症による透析導入数が減少する成果が表れつつある。併せて、糖尿病、高血圧、脂質異常症に対する包括的治療介入が糖尿病腎症の進展抑止に着実な効果をもたらしつつある。本講座ではさらなる腎症対策の充実を図るべく、医師・看護師・栄養士で構成される腎症進展抑止チームによる集学的指導を行っている。現在、腎症発症と酸化ストレスマーカーや血糖変動幅との関連についての解析を進めている。さらに、インクレチン治療などの早期介入効果の検証に着手している。

自己評価・点検及び将来の展望

CGMを用いた血糖変動および重症低血糖の評価と血糖管理方法の構築、妊娠糖尿病における食後高血糖と母体インスリン抵抗性および分泌能との関連、新たなグルカゴン測定方法の確立、キサンチン酸化還元酵素と酸化ストレスおよび糖尿病合併症との関係などについて研究成果が出ており、多くの学会で報告し、論文としても報告している。今後さらにこれらの研究を継続・発展させていくほか、糖尿病患者における血糖変動と血管内皮機能障害や糖尿病合併症進展のリスクについての研究などを進めている。

責任者| 楠 宜樹(講師)

兵庫医科大学 〒663-8501 兵庫県西宮市武庫川町1番1号 TEL:0798-45-6111 (代)

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