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単孔式腹腔鏡下手術について

 腹腔鏡下手術は「簡単なものから複雑なものへ」とその対象疾患を急速に拡大してきましたが、これまでは多くの場合、腹腔内に挿入する器具の数を増やすことでより複雑な操作ができるようにしていくというものでした。 一方で、腹腔鏡での手術がある程度確立されたものになると同じ腹腔鏡でするのでも 「 より少なく、より小さい 」 傷ですることを目指す流れが起こってきました。創が1つだけの単孔式内視鏡下手術 ( TANKO ) はその一つの到達点と言えます。

 小児におけるTANKO:TANKOはこのように新しい術式です。使用する道具の面でも、技術的な面でもまだまだ発展途上であり、特に小児の小さなおなかの中で安全にクオリティの高い手術を完遂するのはときには至難の業です。
私たちはこれらの問題点を克服して小児においてもより安全に行うために、腹腔鏡を用いたおなかの中での処置と、創部からおなかの外に臓器を引き出して行う処置とを組み合わせたハイブリッドTANKO手術を行っています。
2009年からこれまでに私たちがTANKOを行った疾患は次のとおりです。



急性虫垂炎に対するTANKO ( 11歳女児 )

左 : 臍から内視鏡と鉗子を挿入し ( 上 )、
   虫垂を引き出して体外で処理する( 下 )。
右 : 術後の臍。







卵巣嚢腫茎捻転に対するTANKO ( 7歳女児 )

左 : 術前( 上 )、術後( 下 )の外観。
右 : 腹腔鏡下に卵巣嚢腫を穿刺して内容液を
   吸引排出し、臍から取り出して切除した。







私たちはより安全に、そしてより子ども達への負担の少ない手術を追求し、常に挑戦を続けています。

<< 参考文献 >>
岡島正純,佐伯修二.単孔式腹腔鏡手術の動向と将来:胆道25(5): 745-750, 2011.
佐々木隆士,阪龍太,他. 小児虫垂炎における単孔式腹腔鏡下虫垂切除術の経験:日小外会誌49(2), 2013.

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