教授挨拶

平成26年4月1日付で第4代教授に就任しました竹島泰弘です。
多くの病気で苦しむこども達が元気に回復し、笑顔をとり戻すことができるよう、当小児科学講座スタッフと一丸となって小児医療を推進してまいります。小児科は誕生から成人に至る成長の過程の中で、幅広い領域の疾患を取り扱う分野です。そのため、多くの専門性が要求されます。また、こどもの病気の多くが急性発症するため、休日・夜間の対応も稀ではありません。そのため、多くのスタッフによるチーム医療が不可欠です。私どもの小児科は40年を超える歴史を有し、腎疾患、新生児、血液腫瘍、アレルギー、神経・筋、代謝・内分泌など、様々な領域のスペシャリストが、お互いの連携のもと、日々こども達の健やかな成長・発達を目指して診療を行っています。
 こどもの病気の中には、先天性の疾患や難治性の疾患が多く、そのような医療では、こどもに対する治療とともに、お父さん・お母さんに対するケアも重要です。小児科医としての優しさを持ち、家族全員で病気に立ち向かっていけるような医療を提供してまいります。その一方、医学は常に進歩しており、10年前には治らなかった病気が治る時代になっています。そのような医学の進歩のためには、ひとりひとりの患者さんを丁寧に診ていくことが非常に大切です。患者さんに対する丁寧な対応・診療を行う中から、今までわからなかったことが見えてきます。私の28年の小児科医としての歩みの中で、患者さんから多くのことを教えていただきました。このような積み重ねの上で、今後も新たな医療を展開していきたいと思います。
 私は、遺伝性難病である筋ジストロフィーに対し、遺伝情報を修復することによる新たな治療法を開発し、現在、治験を行っています。このような治療法は、他のこどもの病気に対しても応用することが可能です。今後、当小児科学講座から、多くの遺伝性小児疾患に対し新たな治療法を発信していけるよう、尽力してまいります。一方、地域の小児医療における大学病院の役割は重要です。一次から三次救急において、あらゆるレベルで地域の医療機関と連携し、地域のこども達の病気に対応していきたいと思います。
 大学病院としての専門性を生かし高度医療を推進していくとともに、地域の小児・新生児医療の中核を担います。多くの人が集い、お互い連携して一丸となり、そして未来へ向けてひろがる小児科、このような志を同じくする多くの小児科医を求めています。「未来にひろがる小児科」の門戸を、いつでも叩いてください。