○冨高 晶子、加野 尚生、松永 佳世子（藤田保健衛生大）、安倍 雅人、浦野 誠、 黒田 誠、溝口 良順（同 病理科）、原 一夫（愛知医大病理部）
症例：46歳，男性
初診年月日：2000年3月16日
主訴：顔，頭部の皮疹
家族歴，既往歴：特記すべきことなし
臨床経過：1999年12月下旬より，右額部に皮疹出現．近医で抗生剤投与されるも軽快せず．2000年3月16日当科紹介受診．皮膚生検，細菌培養するも確定診断できず．
抗生剤を投与（約2カ月間）するも軽快せず．5月よりステロイド剤の内服を開始し現在経過観察中．
現症：顔面，頭部に自覚症状を伴わない直径1・〜2・大，円〜だ円形，隆起性，暗赤色結節が多発．頚部（3個），腋窩部（１個）にも同様の皮疹が出現．自覚症状，圧痛，排膿なし．膝窩部にも皮下結節を１個触知．呼吸器症状なし．胸部Ｘ線正常．ツベルクリン反応正常．眼症状なし．
検査成績
尿，血液所見に肝機能障害を除き異常なし．（肝機能異常は以前より指摘されていた．GOT60mU/ml,
GPT86mU/ml, γGTP263．超音波検査では異常なし）
HBs-Ag陰性，HCV抗体（第2世代）陰性，TPHA，ガラス板法陰性
ACE6.7IU/L(8.3-21.4)，リゾチーム10.2μg/ml (5.0-10.2)
抗核抗体（定性）陰性，抗SS-DNA抗体7.0，抗DS-DNA抗体1.4，RA10>
皮膚培養（結節病変を含む）：P. ACNES (2+)のみ
臨床診断，鑑別診断
LMDF，サルコイドーシス，真菌症，結核，リンフオーマ，シェ−グレン症候群など．
提出したHE標本は頚部からメスプローベした皮下結節である．
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