○後藤 亜紀、金原 彰子、山本 有紀、上出 康二、古川 福実(和歌山医大)
15歳,男児.
生下時から顔面に黄紅色の小結節を7個認めていた.3歳児に当科を受診したが,congenital
skin anomalyとして経過観察.数,大きさ,色調に変化はなかったが,切除希望で平成12年4月6日に当科を受診.
左こめかみから左頬部にかけて粟粒大から大豆大の黄紅色の小結節が一部序列性に配列していた.境界は不鮮明,表面平滑,弾性はやや硬で浸潤は触れなかった.
organoid nevusの生検診断で5月2日全摘出術施行.
摘出された標本の病理所見では表皮は菲薄化し,脂腺は未発達の小葉からなるものから成熟した小葉がぶどうの房状を示すものまで多彩であった.毛包は変形・萎縮しており,アポクリン腺が見られた.また,真皮内の血管は拡張し,線維素性結合組織は増生していた.真皮内を縦走する横紋筋も散見された.
自験例では臨床像,組織像ともにorganoid nevusとしては特異な所見を呈していた.
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